「真人は踵(かかと)を以て息をし、衆人は喉を以て息をする」― 荘子
古今東西、世の中には様々な呼吸法がありますが、
健康のためであれば目的は一つしかありません。
丹田に力を集めることです。力と言っても、腕力ではありません。
本当は「気」を集める、と言いたいのですが
「気」というものをご存じない方はオカルトみたいに感じると思うのであえて力と表現しました。
実際、ちゃんとした呼吸法を行うと丹田(ヘソ下3㎝)にある種の力がみな
ぎって来るのが分かります。
その時、同時に鳩尾(ミゾオチ)は緩んでいます。
所謂、上虚下実です。この状態で、人間は自然治癒力を一番発揮します。
一番簡単な呼吸法を説明します。
仰向けに寝て、全身の力を抜きます。
お腹を凹にしながら、ゆっくり息を吐いていきます。
理想としては20秒ぐらいが良いのですが、最初は5つ数える間ぐらいは息
を吐き続けて下さい。
おヘソを背中にくっつける感じでお腹を引込めて下さい。
吐ききれば、息は勝手に入ってきます。
息を吸う時は数を数える必要はありません。
段々と、吐く事だけを意識して時間を伸ばしていきましょう。
無理はダメですよ。無理をすると体が緊張します。逆効果です。
5分程度実行して下さい。
慣れてきたら、息を吐くのに合わせて体の力を抜いていってみて下さい。
頭の天辺から、額、眼、鼻、口、アゴ、と
できるだけ体を細分化して緩めながら息をゆっくり吐いていって下さい。
緊張型、縮みの入り易いタイプに特に効果的です。
軽い不眠症には速攻性があります。
おそらく、足の小指までいかない内に眠ってしまうでしょう。