後頭部が痛む頭痛で考えられる原因は?

頭痛と一口にいっても、痛む場所というのはいろいろあるものです。

頭の前のほうが痛むということもあれば、こめかみが痛むということもありますし、頭のてっぺんが痛むということもあるでしょう。

人によっては、後頭部が痛むということもあるのではないでしょうか。

基本的に頭痛に限らず痛みというのは何かしらのサインなのですが、頭痛の中でも後頭部が痛む場合というのは注意が必要かもしれません。

ここでは、後頭部が痛む頭痛で考えられる原因についてお話ししていきたいと思います。

緊張型頭痛

後頭部が痛む場合、それは緊張型頭痛によるものかもしれません。

緊張型頭痛というのは、後頭部から首筋にかけて、じわじわと痛みを感じるのがひとつの特徴になっています。

人によっては痛いというよりも重苦しい感じや圧迫感のほうが強いということもあるようです。

現代人にはこの緊張型頭痛というのは特に多いでしょう。

というのも、不自然な姿勢をしてしまったり、長時間の同じ姿勢をしてしまったりすることによって肩や首あたりの筋肉が凝ってしまい、

血行不良を起こすことによって緊張型頭痛が発生するのです。

実際に、緊張型頭痛で悩んでいる方の多くが肩コリや首筋のコリにも悩まされているものです。

パソコンに向かってのデスクワークや携帯電話、スマートフォンの利用など現代人にとっては当たり前のことがこの緊張型頭痛につながってくるのです。

パソコンや携帯電話、スマートフォンなどの電子機器を使わないアナログ作業であっても、長時間同じ姿勢でいるなら同じくらいの緊張型頭痛のリスクがあります。

後頭部の痛みをどうにかしたいのであれば、この緊張型頭痛に対処していく必要があります。

肩コリや首コリから緊張型頭痛が起こっているケースがほとんどですから、これをなくしていくことが重要になってきます。

そのためには、とにかく首や肩のあたりを動かすことです。

眼や身体の柔軟体操やストレッチをすることによってもコリを防ぐことができます。肩を上下させたり、首を回したりといった簡単なことでいいのです。

30分に1回くらいのペースで動かすようにしましょう。

整体体操・自動運動はさらに効果的です。
正面を向いたまま頭は動かさずに両肩だけを大きく回す、ひじを軽く曲げて肩を前後に回す、

椅子に座って両足をそろえて顔を正面に向けたまま左右の肩を交互に前に突き出すように体を回すといった体操をするのも効果的です。

緊張型頭痛はストレスから来ることも珍しくないのですが、もしストレスに心当たりがあるならそのストレスをどうにかしましょう。

ストレスの原因となっているものをとにかく取り除くようにしましょう。

ただ、人間関係や仕事に関するストレスというのはそう簡単に取り除くことができないでしょう。

そういう場合には、ストレスをうまく解消していくことを考えていきましょう。

自分なりのリラックス法やストレス解消法を見つけておくと、それだけで気持ちにも余裕が出てきますし、緊張型頭痛の症状も緩和されていくでしょう。

腹式呼吸、といっても出来るだけ長く吐き続けるだけでも効果があるので試してみて下さい。

偏頭痛

偏頭痛というとこめかみが痛むイメージが強いかと思うのですが、人によっては後頭部が痛むということもあります。

後頭部からそのまま痛みが頭全体に広がるようなこともありますので、「偏頭痛=こめかみ」という思い込みはやめておいたほうがいいでしょう。

ただ、偏頭痛の場合には脈拍に合わせてズキンズキンと痛むことが多いため、こめかみで痛みを感じやすいという部分はあります。

痛むのはこめかみだけではないということを理解しておきましょう。

偏頭痛というのは血管の拡張によって起こるものですので、血管を収縮させることを考えなければいけません。

そのためにできることは冷やすことです。偏頭痛では痛む部分を冷やすのが効果的だといわれていますので、後頭部が痛む場合には後頭部を冷やすようにしましょう。

後頭部の中でも生え際のあたりは特に太い血管が通っていますので、後頭部の痛みだけではなく偏頭痛の痛みそのものにも働きかけてくれるでしょう。

偏頭痛の際には痛みのある部分を圧迫するのも効果的ではあるのですが、後頭部の圧迫というのは難しいでしょうし、

もし後頭部でも生え際のほうが痛むようであれば首を絞めるような状態になってしまうかもしれません。

後頭部が痛む場合には、冷やして血管を収縮させる方向で考えておいたほうがいいでしょう。

話が矛盾するようですが、蒸しdタオルは効果があることが多いので試してみる価値はあります。

 

頭部神経痛(後頭神経痛)

後頭部が痛む場合、頭部神経痛である可能性もあります。

頭部神経痛というのは「後頭神経痛」と呼ばれることもあります。文字通り、後頭部が痛む神経痛です。

緊張型頭痛ではじわじわとした痛み、偏頭痛では脈拍に合わせたズキンズキンとした痛みとなるのですが、

頭部神経痛の場合には電気が走ったようなピリッとした痛みを感じることになります。

過去に電気治療などを受けたことのある方であれば、ピリピリとした痛みやキリキリとした痛みというものがおわかりになるかと思います。

まさに、そのような痛みになります。常に後頭部だけが痛むというわけではなく、

耳の後ろや後頭部にかけてが痛むこともあれば、左右どちらか一方だけが痛むということもあります。

場合によっては、後頭部を中心に頭全体が痛くあるということもあるようです。

頭部神経痛は疲れやストレスが原因となることが多いようです。

忙しい毎日を送っている方というのは、疲れやストレスの自覚がありながらも、対処しないままにしていることが多いものです。

疲れやストレスというのは目に見えないものですが、確実に影響を及ぼすものです。

まったく疲れをためこまない、まったくストレスを感じないという状態は難しいでしょうが、日ごろから心と体をしっかりと休ませて、ストレスをためないように心掛けましょう。

ストレスの原因がわかっている場合にはそのストレスの原因を取り除くようにするか、自分なりのストレス解消法やリラックス法を見つけておきましょう。

また、頭部神経痛というのは長時間同じ姿勢でいることや無理な姿勢をすること、猫背などが原因で起こることもあります。

緊張型頭痛のときと同じように、ストレッチや体操などでこまめに体を動かし、筋肉のコリをほぐしていきましょう。

痛い部分を温めるのもいいとされていますので、緊張型頭痛と似ている部分もかなり多いといえるでしょう。

蒸しタオルも効果的です。

くも膜下出血

頭痛は病気のサインであることもあるのですが、後頭部が痛むという場合にはくも膜下出血である可能性もあります。

ただ、「ちょっと痛いかな~」というくらいのものであれば、くも膜下出血以外の他の原因でしょう。

というのも、くも膜下出血が原因で後頭部が痛む場合というのは、激しい痛みを感じることになるのです。

くも膜下出血では、後頭部や頭全体に、突然、それこそ後頭部をバットで殴られたような痛み、今まで経験したことのないような激しい痛みを感じます。

じわじわと痛みが増していくという感じではなく、瞬間的に痛みはピークに達します。

そこからおさまることはありませんので、ずっとピークの痛みが続くようなものです。

逆にいえば、激しい痛みが突然起きたとしてもその痛みが続かない、最初は弱い痛みだったものが徐々に強くなっていくという場合にはくも膜下出血ではないといえます。

瞬間的に痛みがピークに達し、それが続くというのがくも膜下出血による頭痛の特徴なのです。

くも膜下出血というのはよく見聞きするものですが、よくわかっていないという方も多いでしょう。

くも膜下出血というのは、脳を覆っている膜が3枚あるのですが、その中の真ん中の「くも膜」の下で出血することを指します。文字通りの症状なのです。

脳の動脈に動脈瘤というコブができて、そのコブが破裂することによって起こります。

言うまでもなく、くも膜下出血による後頭部の痛みというのはかなり危険な状態です。

突然の頭痛や今まで経験したことがないほど激しい頭痛に加えて、吐き気や手足のしびれなどがある場合には、くも膜下出血を疑ったほうがいいでしょう。

くも膜下出血によって後頭部への頭痛が出ている場合には、くも膜下出血への治療を最優先で考えるべきです。

後頭部が痛む頭痛には注意が必要

後頭部が痛む頭痛の原因ということで、緊張型頭痛、偏頭痛、頭部神経痛(後頭神経痛)、くも膜下出血についてお話ししてきましたが、

あくまでもここでご紹介したのは代表的なもので、一部に過ぎません。

というのも、人間の体というのは不思議なもので、本来であれば痛むはずがないような部分が痛むようなことだってあるのです。

後頭部が痛むからといって、緊張型頭痛、偏頭痛、頭部神経痛(後頭神経痛)、くも膜下出血のどれかに必ず分類されるわけではありません。

ただ、後頭部が痛む頭痛の原因としてくも膜下出血が挙げられるということを考えれば、後頭部の痛みには注意が必要だと言えるでしょう。

くも膜下出血の場合にはその痛み方が特徴的ですし、後頭部の痛み以外にもさまざまな症状がサインとして出てくるかと思いますので、

比較的早くに気付いて対処することができるでしょう。くも膜下出血というとただの後頭部の痛みでも心配になるかもしれませんが、

そこまで神経質になる必要はありません。きちんと理解しておけば、いざというときにも対応できます。

ただ、くも膜下出血以外の原因で慢性的に後頭部が痛むのであれば、痛まないようにそちらも対処しておきたいものです。