自律神経失調症は、ストレス・生活習慣・環境要因など、さまざまな原因が複雑に関係して発症します。
この記事では、自律神経失調症の主な6つの原因と、それぞれに適した改善方法を専門的な視点からわかりやすく解説します。「なぜ自律神経失調症になるのか?」という疑問に答え、今すぐできる改善のヒントもご紹介します。
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目次
自律神経失調症の原因とは?6つの主な要因
自律神経失調症の原因を大別すると、「外的要因」と「内的要因」に分類されます。さらに細かくわけると下記の6つに分けられ、それぞれが複雑に絡み合って自律神経のバランスを崩す要因になります。
自律神経失調症の6つの主な原因
| 分類 | 原因 |
| 外的要因 | ① 精神的ストレス |
| ② 身体的ストレス | |
| ③ 生活習慣の乱れ | |
| 内的要因 | ④ 遺伝や体質 |
| ⑤ 性格的な問題 | |
| ⑥ ホルモンバランスの変化 |
このセクションでは自律神経失調症の原因について、一つひとつ解説していきます。ご自身がどれに当てはまるかチェックしながら読み進めてみてください。
原因1.精神的ストレス
精神的な負担は、自律神経に最も大きな影響を与えます。自律神経は精神的なストレスや情動的な反応(不安・抑うつ・睡眠障害など)とも相互に関わっていて、うつ病や不安症の症状の一部として自律神経失調症が現れるケースも少なくありません。そして、精神面の不調は身体面の不調へと波及していきます。
例えば、下記のような強いストレスが続くと脳が緊張状態になり、自律神経のブレーキが効きにくくなります。
自律神経の乱れを引き起こす精神的ストレスの例
- 人間関係の悩み(職場・家庭・友人)
- 仕事のプレッシャーや過労
- 経済状態や将来への不安
- 生活環境の変化(転職・引越し・出産・育児など)
怒りや悲しみ、心配や恐怖といった情動を抱えたとき、食欲減退や胃腸への違和感を覚えた経験、あなたもあるはずです。これは、自律神経の乱れから起きる現象です。それだけダイレクトに、精神的ストレスは自律神経に影響を与えるのです。
精神的ストレスからくる自律神経の乱れは、様々な精神疾患を引き起こします。自律神経失調症を始め、うつ病やパニック障害などがそうです。現在、自律神経失調症と診断された人は全国で約65万人、潜在的に抱えている人はその10倍以上(650万人)ともいわれています。
| ストレス反応は本来であれば防御反応
本来、ストレス反応は「身を守るための防御反応」です。例えば自然界では、天敵に出会うと交感神経が活性化して心拍数が上がり、筋肉にエネルギーが供給されます。これによって最も身体能力を引き出せる状態になり、「逃げる」「戦う」といった行動が即座に取れるのです。 しかし、現代社会では緊張状態が長時間続きやすい環境にあり、結果的に自律神経がオーバーヒートして心身の不調を引き起こしています。 |
原因2.身体的ストレス
私たちの体は、気温・気圧・光・音といった外部環境からの刺激に敏感に反応しています。こうした環境要因が身体的ストレスとなり、自律神経のバランスを大きく左右するのです。具体的には、次のような場面が自律神経の乱れを引き起こす要因になります。
自律神経の乱れを引き起こす身体的ストレスの例
- 季節の変わり目の寒暖差
- エアコンが効いた室内と屋外の温度差
- 冬の長い日照不足(冬季うつの原因)
- 台風や低気圧による気圧変動
- 騒音や振動
季節の変わり目による温度変化や、台風などによる気圧の変化によっても自律神経は乱れます。季節の変わり目になるとうつ病を発症する人が増える、と言われているのはこのためです。身体はこうした外からのストレスを敏感に感じているのです。
夏場のエアコンが効いた室内と屋外の温度差は、自律神経に大きな負担をかけます。季節性の寒暖差やエアコンによる温度差が自律神経にどのような影響を与えるかを、次のセクションでもう少し具体的に考えてみましょう。
季節性の寒暖差や夏場のエアコンによる温度差が自律神経を乱す
季節の変わり目になると、急激な気温差や気圧の変化が自律神経に大きな負担をかけます。これが原因で、頭痛や倦怠感、不眠などの不調が現れるケースもあります。特に冬場の日照不足は「冬季うつ」と呼ばれる自律神経の乱れを引き起こしやすいです。
エアコンも原因の1つです。夏場にエアコンが効いた部屋に入り、外気との温度差によって体調を悪くした経験はありませんか。それは自律神経の乱れからきた不調です。
人間の身体は、気温が高ければ副交感神経の働きによって体内の熱を外に出そうとします。しかし、エアコンによって身体が冷やされると、今度は反対に体温を逃がさないように交感神経が働きます。
これを繰り返していると、冷房が効いている室内と屋外の温度差によって体温を調節する自律神経に負担がかかって疲弊してしまうのです。手足の冷えや頭痛・腰痛・だるさ・便秘・下痢といった症状が表れて、「クーラー病」と呼ばれる症状にもつながる場合もあります。
原因3.生活習慣の乱れ
自律神経失調症の原因は、いまだ医学的に完全には解明されていません。とはいえ、現代の研究では、以下のような生活習慣の乱れやストレスが発症や悪化に関与していると考えられています。自律神経失調症の原因は生活の中に潜んでいるのです。
自律神経に影響する生活習慣の乱れの例
- 長時間のスマホやパソコンの使用
- 睡眠不足と不規則な生活
- 偏った食生活と栄養不足
- 過度な飲酒・喫煙
- 運動不足
ほとんどの方が使用しているスマホは自律神経を乱す要因となります。次のセクションでその深刻な影響について考えてみましょう。
長時間のスマホやパソコンの使用
夜寝る前のスマホやパソコンの使用は、自律神経のバランスを乱す大きな要因の一つです。パソコンやスマホは、今やなくては困るアイテムの一つですが、画面から発せられるブルーライトが自律神経を乱してしまうのです。
スマホなどのブルーライトが自律神経に悪影響
スマホやパソコンの画面から発せられるブルーライトは、私たちの自律神経に少なからず影響を与えています。ブルーライトは太陽光にも含まれているため、夜間に強い光を目にすると、脳が「今は昼間だ」と錯覚してしまうのです。
正常であれば、夜はリラックスを司る副交感神経が優位になり、体も心も休息モードに入ります。ところが、ブルーライトを浴び続けると、緊張状態を作り出す交感神経が刺激されて脳が覚醒し、睡眠に悪影響を及ぼします。
姿勢の悪化を招いて自律神経の乱れを助長する
さらに、スマホやパソコンの長時間利用は姿勢の悪化を招き、首や肩の筋肉の緊張にもつながります。結果として首や肩に負担がかかると、そこを通る神経や血流に悪影響を与えて自律神経の乱れを助長するのです。
これにより、睡眠の質が低下するだけでなく、首肩のコリや頭痛、倦怠感といった心身の不調にもつながりやすくなります。そして、夜寝る前のスマホやパソコンの使用は、睡眠不足と不規則な生活にもつながります。
参考
『「スマホ首」が自律神経を壊す』(著者:松井孝嘉)
『自律神経が弱っている人は9割は首がこっている』(著者:青坂一寛)
睡眠不足と不規則な生活
睡眠は自律神経のバランスを整え、心身を回復させるために欠かせない時間です。そのための十分な睡眠が取れないと、「交感神経(活動モード)」が優位になり、「副交感神経(リラックスモード)」の働きが低下します。その結果、緊張状態が続き、自律神経の乱れが慢性化しやすくなります。
不規則な生活は体内時計を乱して自律神経のバランスを崩壊させる
さらに、夜更かしや慢性的な寝不足、昼夜逆転といった不規則な生活は、体内時計(概日リズム)を乱し、自律神経のバランス崩壊を招く大きな原因となります。朝起きたらカーテンを開けて部屋を明るくしたり、外に出て太陽の光を浴びたりして体内時計をリセットしましょう。
| 自律神経とセロトニン
昼夜逆転した生活は自律神経を乱します。自律神経は太陽光と深く関係しているからです。人は午前11時までに太陽光を20分~30分浴びることにより「セロトニン」が分泌され、これにより自律神経が整えられて、夜ぐっすり眠れるようになります。 セロトニンの作用はそれだけではありません。意識をスッキリさせ、集中力を高めたり、イライラなどのネガティブな気分も解消してくれます。 |
偏った食生活と栄養不足
食事の内容も自律神経に関係しています。ビタミンやミネラルが豊富な野菜や果物、良質なタンパク質は、自律神経の安定をサポートします。一方で、カフェイン(コーヒー・紅茶・エナジードリンクなど)は覚醒作用が強く、交感神経を過剰に刺激するため、摂り過ぎは要注意です。
カフェインだけでなく、糖質・脂質・添加物の過剰摂取や外食中心の食生活は交感神経を刺激し、自律神経のバランスを崩す原因になります。
| 暴飲暴食
暴飲暴食もまた自律神経を乱します。満腹後眠くなるのは、「胃に血液が多く流れ、脳に血液があまり流れなくなるから」と言われていますが、そうではありません。満腹になることで、緊張モードの交感神経からリラックスモードの副交感神経に切り替わるためです。 満腹度が大きければ大きいほど、交感神経から副交感神経への揺れ戻しが大きくなり、強烈な睡魔に襲われるのです。ここで寝てしまうと夜眠れなくなるため、自律神経を乱す原因になってしまいます。 |
過度な飲酒・喫煙
過度な飲酒
アルコールの影響も見逃せません。アルコールは適量であれば一時的なリラックス効果がありますが、過度な飲酒は交感神経を優位にさせて心拍数が上昇し、自律神経を不安定にします。
また、アルコールは睡眠の質を低下させる作用が強いです。お酒を飲むと寝つきが良くなるように感じるかもしれませんが、深い眠り(ノンレム睡眠)の時間が短くなり、夜中に目が覚めやすくなります。これにより、自律神経の回復力が低下し、翌日の疲労感やメンタル不調につながりやすくなります。
喫煙
煙草に含まれているニコチンは、強力な神経刺激物です。ニコチンは交感神経を過剰に刺激して、心拍数の増加、血圧上昇、血管収縮を招きます。習慣的に吸い続けると血行不良が慢性化し、交感神経を過剰に刺激して全身の緊張が高まり、自律神経の不調を招きやすくなります。
煙草を吸うとイライラが収まるかのように感じるかもしれませんが、実際には、そのイライラを引き起こしているのはニコチンに対する依存症です。
運動不足
日中に適度な運動をすると交感神経が活性化し、夜間に副交感神経のリラックスモードへ自然に切り替わって、生活のリズムを作るサポートになります。逆に運動不足だと、血流の悪化・筋肉の緊張・浅い呼吸につながり、夜間もリラックスモードに入りにくくなって睡眠の質が低下します。
原因4.遺伝や体質
自律神経の不調の原因は、生活習慣やストレスだけではありません。生まれつき自律神経が過敏で、ストレスに弱い体質の人もいます。満員電車に耐えられない人もいれば、毎日でも平気な人もいますよね。生まれ持った体質、ストレス耐性などを過去の経験から知っておくことは大切です。
中には、大きなストレスがなくても、体質的に自律神経が乱れやすい人もいます。例えば、以下のような体質の方は、自律神経が乱れやすい傾向があります。
自律神経が乱れやすい体質
- 感受性が強く、刺激に敏感なタイプ(HSP傾向)
- 虚弱体質でストレス耐性が低い
- もともと低血圧
これらの体質は、遺伝的な要素も関わっていると考えられています。
体質
体質について、もう少し深く言及しておきましょう(他ではあまり聞けない内容です)。実は、一人ひとり身体の使い方には癖があります。
体重の乗せ方や身体のひねり方、筋肉の伸び縮みなどがそうです。これらを「体癖」と呼びます。「体癖」を分類すると12種類あります。
同じ体癖で長年生活していると、体調に影響が出てきたり、病気の原因になったりします。例えば、同じ風邪でも、人によって経過や症状の表れ方が違うのは、体癖が異なるからです。
「様々な治療を試みたけど、自律神経の不調が治らなかった」という方は、もしかしたら体癖に原因があるかもしれません。一度、調べておくといいでしょう。
原因5.性格的な問題
性格は、ストレスの受け方に大きな影響を与えます。たとえば、ポジティブな人はストレスが少なくて済みますが、ネガティブな人はストレスを多く抱えてしまいます。神経質な人、責任感が強い人などもそうです。大ざっぱな人や神経の太い人、無責任な人などに比べるとストレスを抱えやすいです。
もちろんこれらは一つの個性であり、悪いことではありません。しかし、度が過ぎると抱えなくてよいストレスを多く抱えるようになり、自律神経を乱す原因になります。「真面目」「完璧主義」「他人に気を使いすぎる」といった性格傾向は、自律神経を乱しやすい要因の一つといえるでしょう。
ストレスからくる自律神経失調症は、うつ病やパニック障害、メニエール病などの引き金となることもあるため、注意が必要です。
原因6.ホルモンバランスの変化
特に女性はホルモンバランスの影響が大きい
女性の場合、月経や妊娠・出産によるホルモンバランスの変化が自律神経に影響を与えます。女性のライフステージは次の4つに分かれていて、一生を通じてホルモンバランスが変化していきます。
- 思春期
- 成熟期
- 更年期
- 高齢期
特に妊娠・出産の時期や更年期は、ホルモンバランスが大きく変化するため、自律神経にも大きな影響を与えます。一般的に50歳前後に訪れる閉経によるホルモンバランスの変化は、自律神経に大きく影響します。この時期に自律神経失調症になる女性は多いです。
更年期の女性は女性ホルモンの分泌が減少するため、自律神経のコントロールが難しくなり、頭痛・めまい・ほてりといった症状が出やすくなります。
自律神経失調症の主な要因まとめ
| 分類 | 原因 | 概要 |
| 外的要因 | ① 精神的ストレス | 人間関係の悩み・職場や家庭の問題・不安や怒りなど
生活環境の変化(転職・引っ越し・出産・育児など) |
| ② 身体的ストレス | 寒暖差・日照不足・睡眠不足・運動不足・過労・栄養の偏り・騒音など | |
| ③ 生活習慣の乱れ | 夜型生活・長時間のスマホ使用・不規則な食事や睡眠など | |
| 内的要因 | ④ 遺伝や体質 | 自律神経が乱れやすい敏感な体質・更年期など |
| ⑤ 性格的な問題 | 真面目・完璧主義・気を遣いすぎる・感情を溜め込みやすい性格は自律神経のバランスを崩しやすい。 | |
| ⑥ ホルモンバランスの変化 | 妊娠・出産の時期や更年期は、ホルモンバランスが大きく変化して自律神経にも大きな影響を与える |
自律神経失調症チェックリスト
自律神経失調症についてはよく知られるようになりましたが、きちんと自覚している方はそう多くありません。
下記のチェックリストと照らし合わせて、自分が自律神経失調症でないかチェックしていきましょう。
自律神経失調症チェックリスト
| □ いつも耳鳴りがする
□ 動悸が気になる □ 心臓が狂ったように速く打つ □ 息苦しくなる □ 息切れしやすく、座っていても息切れする □ 夏でも手足が冷える □ 手足の先が紫色になる □ 食欲がない □ 吐き気があり、実際に吐く □ 胃の具合が悪く、胃が痛む □ 消化が悪い □ 便秘や下痢をする □ 肩や首筋がこる □ 手足がだるい □ 皮膚が非常に敏感で負けやすい □ ひどい頭痛がする □ 頭が重かったり痛んだりするために、気がふさぎこむ □ 胸や心臓が締め付けられるような感じ、押さえつけられるような感じがする |
□ 顔がひどく赤くなる
□ 冬でもひどく汗をかく □ じんま疹ができる □ 急に体が熱くなったり、冷たくなったりする □ 今まで2回以上、気を失ったことがある □ 体のどこかにしびれや痛みがある □ 手足がふるえる □ 体がカーッとなって汗が出る □ 疲れてぐったりする □ 特に夏になるとひどく体がだるい □ 朝起きたときや仕事後に疲れきっている □ 食事ができないほど疲れる □ 気候の変化によって体の調子が変わる □ 特異体質と医師に言われたことがある □ 乗り物に酔う □ 緊張しやすい □ 神経質である □ ひどいめまいがして、倒れそうな感じになることがある |
上記のチェックリストにおいて当てはまることが多ければ多いほど、自律神経失調症である可能性は高いと考えられます。
| 職場環境のストレスチェック
職場環境のストレスチェックは、厚生労働省が提供しているものがあるので参考にしてみてください。 |
自律神経失調症の症状の表れ方
自律神経失調症になると、様々な症状が表れます。たとえば、めまい、頭痛、手足のしびれ、冷え、顔のほてり、動悸、下痢、便秘、胃腸不調、不眠、朝起きられないなどです。なぜ、各所に症状が表れるのでしょうか。
それは、自律神経が身体の器官を司っているからなのです。
以下の表をご覧ください。
自律神経の働き
表1
| 交感神経 | 副交感神経 | |
| 瞳孔 | 拡大する | 縮小する |
| 涙腺 | 分泌が減る | 分泌が増える |
| 気管 | 広げる | 狭くする |
| 心臓 | 速く打つ | 遅く打つ |
| 血管 | 収縮する | 拡張する |
| 血圧 | 上昇する | 降下する |
| 胃・腸 | 抑制される | 促進する |
| 消化液 | 分泌が減る | 分泌が増える |
| 膀胱 | ゆるむ | 縮む(排尿) |
| 陰茎 | 血管が収縮する | 血管が拡張する(勃起) |
| 立毛筋 | 縮む(鳥肌) | ゆるむ |
このように、自律神経は各器官の働きに大きく関与しています。
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自律神経失調症の症状一覧
自律神経が乱れるとどのような症状が現れるのか、一覧にしました。以下の表をご覧ください。
表2
| 身体の各器官 | 症状 |
| 頭 | 頭痛・脱毛 |
| 目 | 目の疲れや乾き、まぶしさを感じる |
| 肺・気管 | 息苦しくなる・息切れ |
| 心臓 | 動悸・胸部の圧迫感 |
| 筋肉 | 肩コリ・脱力感・筋肉痛・関節痛 |
| 胃・腸 | 食欲不振・吐き気・下痢・便秘・ガスが貯まる |
| 膀胱 | 頻尿・排尿障害・残尿 |
| 陰茎 | 勃起障害・生理不順 |
| 皮膚 | 多汗・かゆみ・痛み |
| 精神 | 不安・不眠・イライラ・倦怠感 |
| 病名 | 起立性調節障害・過呼吸症候群・過敏性腸症候群・メニエール症候群・更年期障害・迷走神経反射・うつ病 |
自律神経失調症の治し方|原因別の改善・治療法
では、自律神経失調症を治すためにはどうすればいいのでしょうか?このセクションでは、乱れた自律神経を回復させるために何をすればいいのかについて、原因別に改善法・対処法をご紹介していきます。
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身体的ストレスの改善法
季節の変わり目は、温度や気圧の変化が激しいため、服装には注意を払ってください。夏や冬の厳しい寒暖の日は、場合によっては外出を控えましょう。気温は、ダイレクトに自律神経に影響を与えるため、できる限りの対策が必要です。
スマホやパソコンもほどほどにしましょう。身体にはすぐに影響が出ないため、自覚することはあまりありませんが、画面から発せられるブルーライトは着実に自律神経を乱しています。特に、副交感神経に切り替わる夜、就寝前のスマホの使用は極力控えてください。
また、ずっと同じ姿勢で使用するパソコンやスマホは首や肩へ負担をかけます。先述したように、首や肩への負担は自律神経を乱す原因となります。
眼や後頭部に蒸しタオルをするなどの対処法が有効です。凝った部分を強く揉んでマッサージするとその時は気持ちが良いかもしれませんが後になって逆に凝りが悪化することが多いのでお勧めしません。
精神的ストレスへの改善法
外から受ける精神的ストレスに原因があると思う場合は、できる限りその原因から離れるようにしましょう。
とはいえ、そう簡単にはいきませんよね。仕事上のストレスが原因であれば、仕事を辞めるか、部署移動を嘆願しなくてはいけません。家庭内の問題がストレスの原因であれば、これもまた離れるのは難しいものです。
ですが、精神的ストレスを溜め続けて精神状態に異常をきたしてしまえば、それこそ働くことも難しくなってしまいます。うつ病をはじめとして精神疾患には、一度患ってしまうと一生付き合っていかなくてはならないものもあります。
今、自分が受けているストレスは一時的なものなのか、それとも延々と続くものなのか、しっかりと判断してください。
ストレスは発散させることも大切です。ストレスに強い人は、このストレスの発散が上手な人ともいえます。仕事を終えた後に楽しむ趣味があったり、休みの日に思いっきり羽を伸ばすなど、上手に一週間のストレスを発散しています。
今まで一番ストレスが発散できた活動は何ですか?思い出して生活に取り入れてみるのもいいかもしれませんよ。
生活習慣の乱れの改善法
まずは、朝11時までに太陽光を浴びて生活リズムを整えましょう。起きる時間を決め、そこから逆算して就寝時間を決めます。朝7時に起きたいのなら、就寝時間は23時30分(睡眠時間が7時間半の場合)になります。
そして今度は、ここから入浴時間を決めます。身体は、入浴してから90分かけて交感神経から副交感神経に切り替わっていくため、23時30分に就寝するのであれば、入浴は22時がベストといえます。
スムーズな自律神経の切り替えのための睡眠までの習慣
①朝11時までに太陽光を浴びて生活リズムを整える
②就寝時間の90分前に入浴
※入浴後、刺激の強い活動はしないでください。
※入浴の水温は38~40度、時間は25分前後が良いです。
※ホットミルクを飲むのも効果的です。
また、アルコールやカフェインも睡眠の質を下げるため、できるだけ控えてください。ニコチンも交感神経を刺激するため、寝る前の煙草は控えましょう。
体質の改善法
運動
元々身体が弱い方は、運動と食事を意識するといいでしょう。身体と自律神経は連動しており、身体を動かすことによって自律神経を整えられます。
運動と言っても激しい運動をする必要はありません。軽いウォーキングだけでもいいのです。ほかに有効だといわれているのが、深呼吸やヨガ、ストレッチです。
呼吸法については、「効果的に心と体を整える正しい呼吸法」を参考に実践してみてください。Webや書店を覗けば、これらの情報はすぐに手に入ります。
次いで、「体癖」の測定・修正も大切です。原因編でもお伝えしましたが、人はそれぞれ身体の使い方には特有の癖(体癖)を持っています。もし、体癖が自律神経を乱す根本的な原因ならば、ほかのどんな対策をしても改善は見込めません。
体癖を測定して修正してくれる整体院(野口整体)に通えば、体癖からくる自律神経の乱れを治せるでしょう。もちろん、当院も対応しています。
きっとあなたも、「一時的な対処ではなく、根本から自律神経を改善したい」と思っておられるでしょう。「自律神経失調症は整体で改善できる?4つの効果を自律神経専門院が解説」という記事で、整体の4つの効果と自律神経専門院の施術方法を解説していますので、ぜひ参考になさてください。
関連記事:【実績多数】広島の野口整体 根本改善で慢性痛・自律神経不調の解消
食生活の改善
自律神経を整えるのに有効な栄養素は、ビタミンB群です。ビタミンB群は、ストレスを感じると消費されてしまう栄養素です。ビタミンB群の中でも、ビタミンB2は特に大切です。豊富に含む食材は、納豆・レバー・卵・大豆・アサリです。
また、女性特有のホルモンバランスの崩れには、豆乳とローヤルゼリーがお勧めです。豆乳に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンと似た働きがあります。そのため、更年期の女性ホルモンの欠乏からくる自律神経の乱れを助けてくれます。
ローヤルゼリーに含まれる「デセン酸」にも、女性ホルモンと似た働きがあります。「アセチルコリン」という物質も入っており、これがホルモンバランスを整える働きがあるのです。特に更年期のホルモンバランスの崩れを鎮めてくれます。ちなみに、豆乳とローヤルゼリーは、美容効果も高いです。
食事は、暴飲暴食は避け、腹八分目にしてください。お腹がいっぱいになり、中途半端な時間に寝てしまうと今度は夜眠れなくなります。
性格的な問題の改善法
ストレスを溜めやすい性格の方には、様々な心理療法があります。「カウンセリング・交流分析・構造分析・やり取り分析・脚本分析・筋弛緩法・自律訓練法・認知行動療法・内観法」などです。
カウンセリングや交流分析は、他人の手が必要ですし、時間とお金もかかります。ほかの治療法も相性などの問題があり、即効性や効果についても絶対ではありません。
しかし、自分の性格(考え方や捉え方)に原因があると思うのなら、多少の時間やお金をかけてでも自分に合った療法を見つけたほうがいいでしょう。
心理療法を通じて、「過度にストレスを抱えない・ストレス耐性を上げる・ストレスを受け流せる」ようになれば、ストレスに強くなれるでしょう。
以上、自律神経失調症の原因を分類し、それぞれにあった対策をご紹介しました。原因が一つではなく、複数ある場合もあるでしょう。そういった場合は、それぞれの対策を同時に行うようにしてください。
まとめ:自律神経失調症にならないために
現代社会において、自律神経は乱れやすい環境にあります。自律神経失調症にならないためにも、自律神経について理解を深め、日頃から意識していくことが大切です。その一助になればと思い、記事を執筆させていただきました。参考にしていただき、少しでもお役に立てれば幸いです。
幼少期から「人の不調の根本原因」に強い関心を持ち、身体操作技術・気功・ヨガ・潜在意識・深層意識などを幅広く研究。16歳で自動運動を体験し、本能的な身体の動きに魅せられる。
日本能力開発研究所(安藤一男)・姿勢均整専門学校(均整法)・整体協会(野口整体)・二宮整体・井本整体、その他手技療法などに学び、常に“根本改善”を追求。
1995年2月に広島で整体施術を開始
阪神淡路大震災の後、被災のため神戸から広島に来ていた方が非常に調子が悪く、1995年2月に広島で出張整体の施術を開始。以来30年以上にわたり、自律神経失調症・不妊症・更年期障害・うつ病・メニエール病など、延べ1万人以上の患者様が抱える症状の改善に携わってきました。


