頭痛が続くときに考えられる病気
頭痛という症状自体は誰もが感じやすいものです。
二日酔いで頭痛になることもあるでしょうし、風邪で頭痛の症状が出ることもあるでしょう。
しかしながら、一時的なものではなく、頭痛が続くときというのは何かしらの病気である可能性もあります。
ここでは、頭痛が続くときに考えられる病気についてお話ししていきましょう。
偏頭痛
頭痛が続くときに考えられるのが偏頭痛です。光や音に敏感になって、吐き気も出てくるということであれば、偏頭痛である可能性が高いでしょう。
頭痛の中でも偏頭痛はよく知られているものなのですが、だからといって軽く見ていてはいけません。
よくある偏頭痛でも生活に支障をきたすことはあるのです。
偏頭痛は女性の方がなりやすく、偏頭痛が起こる前の前兆を感じる方もいます。
脈拍に合わせてズキンズキンと痛むのが特徴で、こめかみに痛みを感じることが多い傾向にあります。
頭や体を動かすと痛みが強まりますし、場合によっては吐き気や吐き気からの嘔吐を伴うこともあります。
めまいを感じることもありますし、音や光に敏感になってしまうこともあります。
1週間のうちに何度も偏頭痛が起こるという方もいますし、一度偏頭痛が起こるとそれが何時間も続きますし、場合によっては何日も続きます。
頭痛だけではなく、疲労感やだるさもありますし、吐き気や嘔吐があればもっと大変でしょう。そのため、偏頭痛で寝込んでしまう方も少なくありません。
緊張型頭痛
主に首や肩のコリが原因で起こる頭痛を緊張型頭痛というのですが、頭痛が続くときにはこの緊張型頭痛である可能性も考えられます。
肩や首のコリに悩まれている方というのは非常に多く、そのため緊張型頭痛となっている方も多くなっています。現代病といっても過言ではないでしょう。
緊張型頭痛の場合には、肩や首のコリを頭痛と一緒に感じることが多い傾向にあります。
その痛み方も特徴的で、じわじわと締め付けられるような痛みを感じます。
人によっては頭に何かがズッシリと乗っているかのような重さを感じます。
偏頭痛のときには体や頭を動かすと痛みがひどくなるのですが、緊張型頭痛の場合には逆に体や頭を動かすことによって楽になることもあります。
仕事柄、パソコン作業を長時間おこなうという方に多い頭痛です。
緊張型頭痛は基本的に筋肉のコリや緊張から来るものですので、筋肉のコリや緊張をほぐすことによって楽になります。
一度痛み出すと、その痛みがダラダラと続くのも特徴的です。
痛みを感じて筋肉が余計に緊張し、血流が悪くなるという悪循環に陥ってしまうことも少なくありません。
体や頭を動かしたときに痛みがひどくなるかどうかというところが偏頭痛との見分け方になってきます。
他にも親指で頭や肩、首の筋肉を押さえたときに「痛いからやめて!」となるようなところがいくつかあるようであれば緊張型頭痛であると判断していいでしょう。
偏頭痛と緊張型頭痛の混合
頭痛が続く場合、先でご紹介した偏頭痛と緊張型頭痛が両方出ているというケースも考えられます。
実際に、偏頭痛と緊張型頭痛の混合型というのは多いのです。
偏頭痛と緊張型頭痛の混合における特徴は、やはり偏頭痛と緊張型頭痛の両方の特徴が出るというところでしょう。
そのため、判断ができずに結局どっちつかずの対応をしてしまい症状を悪化させたり、放置して症状を悪化させたりしてしまう方も多いのです。
偏頭痛と緊張型頭痛の混合だと考えられる場合には、偏頭痛の症状と緊張型頭痛の症状のどちらが強く出ているのかを見ていきましょう。
症状が強く出ているほうをメインに考えて、対処していくべきなのです。
群発頭痛
目の奥がえぐられるような激しい痛みを感じる場合には、群発頭痛の可能性があります。
群発頭痛では本当に激しい痛みが続くことになりますので、人によっては発狂してしまうほどです。当然、生活にも支障が出てくるでしょう。
偏頭痛は女性に多いのですが、群発頭痛は男性に多い頭痛です。あまりにも激しい痛みでじっとしていられないほどです。
痛みは決まった時間に起こりやすく、一度痛くなると1ヶ月から2か月ほどの間、毎日のように痛みます。
痛みを感じる時間は長くとも数時間なのですが、その間の痛みが激しいので本当に絶望的な気持ちになります。
頭の痛みだけではなく、目の充血や涙、鼻水といった症状も出てきます。
薬物乱用頭痛
もともとは偏頭痛か緊張型頭痛であることが多いのですが、こういった頭痛持ちの方が頭痛薬を飲み続けることによって起こる頭痛が薬物乱用頭痛です。
1ヶ月の間に10日から15日以上、頭痛薬を服用しているという方であれば薬物乱用頭痛になっている可能性が高いでしょう。
薬物乱用頭痛になると、朝起きた瞬間から頭の痛みを感じますし、頭痛薬も効かなくなってしまいます。
むしろ、頭痛薬を飲むことによって痛みがひどくなることもあります。毎回毎回痛む場所が変わるのも特徴です。
頭痛薬の飲み過ぎで神経が過敏になってしまい、ちょっとした痛みも激しい痛みに感じてしまうのです。
頭痛持ちの方の中には頭痛薬を常に持ち歩いているような方も多いのですが、頭痛薬に頼らず別の方法で根本的に頭痛へとアプローチする方向で考えていきましょう。
脳腫瘍
頭痛が続くときに考えられるもののひとつに脳腫瘍が挙げられます。
痛みだけではなく、頭が重たい感じがずっと続いており、それがどんどん強くなっているのであれば脳腫瘍の可能性も考えたほうがいいでしょう。
脳腫瘍での頭痛の場合、基本的に頭痛が自然に引くということはありません。
腫瘍が大きくなるにつれて痛みもひどくなりますし、特に朝起きたときの痛みが強い傾向にあります。
他にも吐き気や見え方の異常、手足の異常といった症状が出てきます。
これらの症状にプラスして、頭痛が1週間以上途切れることなく続いているという場合には注意が必要です。
脳腫瘍の可能性も考えて、行動していきましょう。
慢性硬膜下血腫
頭を打った後で頭痛が続くという場合には、慢性硬膜下血腫である可能性もあります。
頭を打ってすぐに頭痛が続くだけではなく、頭を打った後でしばらくして頭痛が続くということもあります。
慢性硬膜下血腫は頭を打つ以外にも頭への衝撃によって起こるのですが、すぐに痛みが続くこともあれば、しばらくしてから痛みが続くこともあります。
頭痛が続く以外にも、吐き気や体の麻痺、物忘れといった症状が出ることもあります。
頭を振ると痛みが強くなるのもひとつの特徴です。
頭を打っていなくとも、お酒の飲み過ぎや動脈硬化、貧血などが慢性硬膜下血腫の原因となることもあります。
時間差で症状が出ることもありますので、注意が必要です。
脳血管障害
頭痛が続く場合、脳血管障害である可能性もあります。
高血圧に関係の深い症状で、高血圧だからといって絶対になるものではありませんが高血圧の傾向があるなら注意しておいたほうがいいでしょう。
高血圧だからといって頭痛になるわけではないのですが、高血圧だからこそ頭痛が続く場合には何かしらの問題があると考えたほうがいいのです。
脳血管障害として具体的に挙げられるのは、高血圧性脳症、くも膜下出血、脳出血です。
高血圧脳症は、血圧の高さに耐えきれ異常が起こった際に、脳の中に水がたまり、脳がむくんでしまうことを指します。
脳のむくみによって頭が圧迫され、頭の痛みを感じるようになるのです。
意識障害や視力に異常が起こることもあり、頭痛自体は早朝に起きやすい傾向にあります。
くも膜下出血は比較的よく見聞きするものだと思いますが、
脳の中のくも膜の下を通る血管に動脈瘤などがある場合、それが血圧の上昇で破れ、出血することです。
頭痛がずっと続くというよりは、突然激しい痛みを感じることになります。
脳出血は、脳の血管が破裂して出血することを指します。
少しずつ血管内に血液がたまり、それによって頭の中が圧迫されて頭痛が起こります。
慢性疲労症候群
頭痛が続く上に、全身の倦怠感がある場合には慢性疲労症候群である可能性も考えておきたいものです。
慢性疲労症候群は最近になって知られるようになったもので、まだまだ周りからの理解を得るのは難しいかもしれません。
慢性疲労症候群の場合には、頭痛以外に全身の激しい倦怠感や微熱、喉の痛み、リンパ節の腫れ、筋力の低下、筋肉痛、
関節痛、睡眠障害、思考力の低下、集中力の低下、抑うつ傾向といったものが症状として出てきます。
ただ体がだるいというのはわけが違い、生活に大きな支障をきたします。
周りからは怠けている、性格的な問題といった解釈をされることが多く、余計に生きにくさというものを感じてしまい、症状を悪化させることも少なくありません。
頭痛が続くときには注意が必要
頭痛が続くときというのは、やはりどこかに問題が生じているものです。
特に、頭痛が続く場合には命を左右するような病気が隠れていることもありますので、「どうせ頭痛持ちだし・・・」と諦めないようにしましょう。
なぜ頭痛が続いているのかをしっかりと見極めた上で、対処法を考えてきたいものです。
また、頭痛が続くとついつい頭痛薬に頼ってしまう方もいるかもしれませんが、それによって薬物乱用頭痛といった別の問題が生じることもあります。
薬に頼ることなく、自分の体と向き合っていくようにしましょう。